東京都台東区浅草にある聖観音宗の寺、本龍院。浅草寺の子院のひとつで、山号の待乳山、本尊の歓喜天(聖天)から待乳山聖天(まつちやましょうでん)と称されています。奈良県生駒市の生駒聖天(宝山寺)、埼玉県熊谷市の妻沼聖天(歓喜院)とともに日本三大聖天にも数えられています。浅草名所七福神の毘沙門天も祀られています。
寺紋は巾着と二股大根を組み合わせたもの
待乳山聖天(本龍院)は、寺伝によれば、推古天皇3年(595)9月20日、一夜のうちに涌現した霊山。
その時、金龍が舞い降り山を回って守護したという故事は、浅草寺の山号である金龍山にも通じています。
十一面観音菩薩を本地仏(聖天は観自在菩薩の権化身)とする大聖歓喜天は、仏法を守護し、 仏道を行ずる人々を守護する天部の神様(仏教の守護神)。
夫婦和合、子授けの神としても信仰されていますが、諸神仏に捨てられた祈願も歓喜天に一心にすがれば救って下さると信仰されてきました。
7日間毎朝祈祷する「浴油祈祷」(よくゆきとう)は、結願(けちがん)後、本堂で守札を渡されるもの。
毎月1日~7日(1月は8日~14日)は、8:00〜8:30に『朝まいり会』も執り行なわれています。
「大聖歓喜天礼拝作法」を皆で唱和するもので、最終日には信徒会館大広間にて斎食儀が行なわれます。
毎月第2日曜9:00〜は『日曜勤行』で、「大聖歓喜天礼拝作法」により観音経、般若心経を読誦。
境内には錦絵に描かれている築地塀も現存。
境内各所には大根と巾着の印がありますが、とくに大根は歓喜天(聖天)の供養には欠かせないもの。
1月7日には『大般若講・大根まつり』も行なわれています。
正月中に本尊にお供えされた大根を調理した風呂吹き大根が、御神酒とともに振る舞われます。
広重の描いた 待乳山聖天(本龍院)
浅草寺の裏手、隅田川沿いの風光明媚な地は、文人墨客の愛する江戸郊外の景勝地でした。
当時は山谷堀の入口にあたり、舟で来た遊客はここから徒歩か駕籠(かご)で吉原に向かったのです。
歌川広重も、『東都名所 真土山之図』、『江戸名勝図会 真乳山』、『名所江戸百景 真乳山山谷堀夜景』、『『東都三十六景 今戸橋真乳山』』などと、数多くの作品に描いています。
待乳山聖天(本龍院) DATA
名称 | 待乳山聖天(本龍院)/まつちやましょうでん(ほんりゅういん) |
所在地 | 東京都台東区浅草7-4-1 |
関連HP | 待乳山聖天公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線・東武スカイツリー線浅草駅から徒歩10分 |
ドライブで | 首都高速駒形ICから約1.3km |
問い合わせ | TEL:03-3874-2030/FAX:03-3874-5280 |
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