館山市神戸(かんべ)地区に鎮座する古社。古代に忌部氏(いんべうじ、斎部氏)の創建と伝わる安房国(あわのくに)開闢(かいびゃく)の歴史を秘める神社です。安房神社祭神の天太玉命(あめのふとだまのみこと=阿波から移住し安房を開いたと伝わる忌部一族の祖神)の后神(きさきがみ)・天比理乃咩命 (あまのひりのめのみこと)が祭神。
安房国の古代からの歴史を秘める神社
社伝によれば神武天皇元年に天富命(あめのとみのみこと)が県道をはさんで反対側の魚尾山(とおやま)に神社を創建したと伝えられる古社。
1273(文永10)年の火災で社殿が焼失したため、現在地に遷座しました。
平安時代編纂の『延喜式神名帳』に「安房国安房郡后神天比理乃咩命神社大元名洲神」と記載されていますが、洲崎神社の祭神と同じため、『延喜式神名帳』記載の大元名洲神は、洲崎神社とする説もあり、江戸時代から論争になってきました。
鶴谷八幡宮(安房国総社)への神輿渡御(みこしとぎょ)では、「安房二ノ宮洲宮神社」の高張を掲げています。
海岸に建つ洲崎神社が拝所、内陸の洲宮神社が奥社とする説もありますが定かではありません。
境内から土製の鏡、勾玉、高坏など祭祀土器が出土しており、この地で古代に祭祀が行なわれていた聖地であることが判明しています。
また旧社地の魚尾山の袋畑遺跡からは古墳時代後期の土製模造品が出土しています。
境内には村の若者が力自慢に持ち上げたという2つの力石があり、大きい方には「四拾五貫目」(約169kg)と記され、「当所若者中」と奉納者の名が刻まれています。
また正月元旦にその年の豊作を願って行われる「御田植神事」(みたうえしんじ)は、館山市の無形民俗文化財に指定。
洲宮神社 | |
名称 | 洲宮神社/すのみやじんじゃ |
所在地 | 千葉県館山市洲宮921 |
関連HP | 館山市公式ホームページ |
電車・バスで | JR館山駅からJRバスで上洲の宮下車 |
ドライブで | 富津館山道路富浦ICから約12km |
駐車場 | 5台/無料 |
問い合わせ | 館山市観光協会 TEL:0470-22-2000 |
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