日本の一等地、銀座4丁目の交差点にそびえる和光本館。銀座に特別な建築美と高級感を漂わせ、銀座の「ハイカラ感」を演出するシンボル的な存在になっています。というわけで、日本建築士会連合会の「東京都のランドマーク」にも認定されているのです。
現在の和光本館は昭和7年築のネオ・ルネッサンス様式
和光といえば時計台のイメージですが、現在の時計塔は2代目。
初代時計塔は、明治27年、服部時計店(現・セイコーホールディングス)の創業者・服部金太郎が、銀座4丁目交差点角の朝野新聞(ちょうやしんぶん/明治26年11月廃刊)の社屋を買い取り、明治28年1月、増改築して服部時計店をオープンさせたのです。
現在の建物は昭和7年6月に竣工。
ネオ・ルネッサンス様式の重厚な外観で、外装は関東大震災の直後ということもあり自然石、内装は豪華なイタリアから輸入された大理石が使われています。
外壁のところどころには、アラベスク模様とレリーフの装飾が施され、ハイカラな銀座を演出しています。
設計は、ホテルニューグランド(横浜/昭和2年)、第一生命館(昭和13年)、徳川黎明会本部建物(昭和7年)などで知られる渡辺仁(わたなべじん)。施工は、清水組。
塔の高さは9m、その上に8mの尖塔と避雷針が付いています。
時計の文字盤もかなり巨大で、直径2.4m、長針1.17m、短針0.75m。
昭和29年6月10日「時の記念日」からは、ウエストミンスター式チャイムの音が鳴り響くように。しかも高精度のムーブメントが使われているので、時間も正確です。
時計塔のチャイムは、正時(毎時00分00秒)になる45秒前(59:15)からウエストミンスター式チャイムが鳴り、その余韻の後に響く第1打が正時を知らせる仕組みです。
[colwrap] [col2]経済産業省の近代化産業遺産に登録
昭和22年4月に、服部時計店の小売部門として誕生したのが和光。
戦後は、ショーウインドウのデザインを当時の気鋭のデザイナーが競作し、一躍、「銀座の顔」となり、オシャレな待ち合わせ場として人気を集めます。
和光本館は、日本建築士会連合会により「東京都のランドマーク」に認定。
「東京都内の百貨店・専門店関連遺産」として経済産業省の近代化産業遺産(都市の娯楽・消費文化)に登録されています。
和光の特色は、徹底した「自前主義」。店内で販売される時計をはじめ、宝飾品、紳士・婦人用品、室内装飾品の半数は、オリジナルの商品。
銀座の「ハイカラ」なイメージを今に伝える貴重なスポットになっているのです。
服部時計店(現セイコーホールディングス)の創業者で、「日本の時計王」。
1860年(万延元年)、名古屋出身の服部喜三郎の長男として江戸・京橋采女町(現在の東京都中央区)に生誕。日本橋と上野の時計店で時計の修繕技術を学び、明治14年、自宅近くに「服部時計店」を開業。横浜の外国商館との取引きから輸入時計の販売を開始し、銀座4丁目に店を構えます。
明治25年、時計製造工場「精工舎」を設立。明治27年、銀座4丁目の角地に、巨大な時計塔を備えた服部時計店をオープン。
[/aside]
和光本館 | |
名称 | 和光本館/わこうほんかん |
所在地 | 東京都中央区銀座4‐5-11 |
関連HP | 銀座和光公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ銀座駅から徒歩すぐ |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 銀座和光 TEL:03‐3562-2111 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |