亀戸天神参道に1805(文化2)年創業の「くず餅」の店が船橋屋。本店は平成28年11月にリニューアルオープン。中庭には梅(品種は青軸)も植えられています。船橋屋の「くず餅」は、葛(くず)ではなく、小麦粉の澱粉質を乳酸発酵させたもの。いわば、関東風のくず餅で、江戸時代と変わらぬ風味を今に伝えています。
450日間という長い日数をかけて乳酸発酵させた和菓子!
明治初頭のかわら版「大江戸風流くらべ」で、江戸甘いもの屋番付の横綱となっているのが船橋屋の「くず餅」。芥川龍之介、永井荷風、吉川英治ら文人たちも、亀戸天神本店に足繁く通っています。
船橋屋の「くず餅」は、小麦粉の澱粉質を地下天然水を使って450日間という長い日数をかけて乳酸発酵させてできあがるもの。
発酵に使うのは深さ、直径とも2mという杉の大樽。地下水は木曽川水系の地下水をわざわざ使っているのだとか。
この昔ながらの「くず餅」にコクのある秘伝の黒糖蜜と、香ばしいきな粉をかけて味わいます。
もちろん、完全無添加。だから風味もあるし、お腹にもやさしい。
消費期限はわずか2日間というのも、昔と同じです。
土産で買って帰ることももちろんOK
江戸時代、武蔵国東部から上総国にかけては小麦の産地。
家庭のおやつとして食べられていたのがくず餅なんだとか。
「南葛飾郡」の葛をとって葛餅(くずもち)というのが名の由来で、本葛を使っているわけではありません。
葛粉を使った葛餅と区別するため「くず餅」あるいは「久寿餅」と記しているのだとか。
船橋の勘助は、亀戸天神が初春の梅に始まり、初夏の藤、秋の菊と季節ごとに花が咲き誇り、参拝客で賑わうことに目をつけて、境内に茶店を開店。
明治に入って、現在の亀戸天神本店の地に店を構え、発酵和菓子である「くず餅」の人気はさらに高まりました。
今では駅や高速道路のSAなどでも見かけるようになりましたが、「くず餅」、「あんみつ」、そしてリニューアル後に復活した「豆くず餅」は、亀戸天神参拝には欠かせない「手形」なのです。
[colwrap] [col3][/col3] [col3][/col3] [col3][/col3] [/colwrap]船橋屋 亀戸天神前本店 | |
名称 | 船橋屋 亀戸天神前本店/ふなばしやかめいどてんじんまえほんてん |
所在地 | 東京都江東区亀戸3-2-14 |
関連HP | 船橋屋公式ホームページ |
電車・バスで | JR・東武亀戸線亀戸駅から徒歩12分 |
ドライブで | 首都高速錦糸町ランプから約1.4km |
駐車場 | なし(周辺の有料駐車場を利用) |
問い合わせ | 船橋屋 亀戸天神前本店 TEL:03-3681-2784 |
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