千葉市若葉区にある縄文時代の貝塚が加曽利貝塚(かそりかいづか)。南貝塚、北貝塚に分かれる貝塚は、総面積は15.1haと世界でも最大規模の貝塚で、国の特別史跡に指定されています。さらに都川の支流である坂月川の舌状台地上にある貝塚一帯は加曽利貝塚公園として整備され、公園は日本の歴史公園100選にも選定されています。
集落を伴う「ムラ貝塚」として日本最大級の遺跡
明治20年、上田英吉の『下総国千葉郡介墟記』により、加曽利貝塚の存在が学界にはじめて紹介され、明治40年には「本邦第一の貝塚」と認められています。
戦前には東京帝国大学人類学教室、戦後は明治大学考古学研究室、千葉市教育委員会などによる発掘、調査が行なわれています。
直径約140mでドーナツ形の北貝塚と、長径約170mで馬のひづめの形の南貝塚が8の字に連結するユニークな構造。
貝塚周辺には縄文中期の小型貝塚や住居跡が広く分布し、平成29年10月13日に貝塚として初めて国の特別史跡になっています。
縄文後期(約4000~3000年前)の南貝塚から、イヌの骨が人骨とともに葬られていることが確認され、大きな話題をよびました。
ビジターセンターとして、千葉市立加曽利貝塚博物館が設置され、坂月川沿いの緑地は「縄文の森特別緑地保全地区」として保全されています。
また、南貝塚には貝層断面観覧施設、北貝塚の貝層断面・竪穴住居跡群観覧施設などが整備されています。
ちなみに、日本全国では現在2400ヶ所の貝塚が確認されていますが、千葉市内にはそのうち120ヶ所という5%もの貝塚が集中しています。
つまり、現在の千葉市は縄文人にとってパラダイスだったということがよくわかります。
縄文時代の特別史跡としては三内丸山遺跡(青森県)、大湯環状列石(秋田県)、尖石石器時代遺跡(長野県)の合計4ヶ所のみです。
加曽利貝塚公園 DATA
名称 | 加曽利貝塚公園/かそりかいづかこうえん |
所在地 | 千葉市若葉区桜木8-33-1 |
関連HP | 千葉市公式サイト 加曽利貝塚博物館公式サイト |
電車・バスで | JR千葉駅から京成バス御成台車庫行き、都賀駅行きで桜木町下車、徒歩15分 |
ドライブで | 京葉道路貝塚ICから約2.3km |
駐車場 | 70台/無料 |
問い合わせ | 千葉市都市局公園緑地部若葉公園緑地事務所 TEL:043-228-0080/FAX:043-228-5421 |
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