昭和32年に登場し、平成8年まで丸ノ内線で活躍した営団500形電車。東京の昭和レトロを語るときには欠かせない車両で、絵本などの東京の乗り物は、お茶の水を走るこの500形が描かれるのが定番でした。アルゼンチン共和国ブエノスアイレスで活躍していた車両が20年ぶりに里帰り。
500形車両は映画『007は二度死ぬ』にも登場!
アルゼンチンから輸送され横浜・大黒ふ頭で陸揚げされた500形771号車
今回里帰りする車両は、1996年にアルゼンチン共和国ブエノスアイレスに渡り、 ブエノスアイレスで20年以上活躍。
「海外での役目を終えて、日本に里帰りすることになった電車は、東京メトロではこの500形車両が初めて」(東京メトロ広報部広報課)とのこと。
2016年7月11日に横浜港大黒ふ頭に到着した500形584号・771号・734号・752号の4両は、7月21日・22日に中野車両基地に搬入。
車体などの補修を行なったうえで、鉄道技術発展に貢献した車両として保存される予定。イベントなどに登場するのが待ち遠しいという鉄道ファンも多いことでしょう。
残念ながら現状では734号車を除き落書きだらけとのこと。
現在、国内で静態保存される500形は、宮崎県日向市駅、八王子市こども科学館、東京交通短期大学の3ヶ所だけ。
昭和レトロを代表する500形は、日本を舞台にした007シリーズの映画『007は二度死ぬ』において、丹波哲郎演じる日本の情報機関のトップの移動手段が丸ノ内線の専用車両500形。公安所属の特殊部隊が忍者という荒唐無稽なシナリオですが、情報機関が専用車両を保有するはずもありませんが、ロケに使われたのは当時、500形が花形だった証です。
現役時代の丸ノ内線500形