毎年7月9日~7月10日6:00~24:00、東京都台東区の浅草寺で『四万六千日・ほおずき市』が行なわれます。7月10日にお参りすると、なんと4万6000日分のご利益があるという大功徳日! 浅草寺の境内には恒例のほおずき市が立ちます。450店のほおずきを売る露店や飲食などの露店が立ち並んで、歩くのも困難なほど。
126年分の功徳に合わせて、ほおずきを購入
観音様(浅草観音)の縁日は毎月18日。
しかし室町時代末期以降に功徳日(くどくび)と呼ばれる縁日が月に1日新たに加えられたのです。
功徳日とは、その日に参詣すれば、100日分(百日功徳)、1000日分(千日功徳)のご利益が得られるというありがたい日。
現在の、「5の日はポイント5倍」などにも通じる企画です。
現在、浅草寺では月に一度、年に12回の功徳日を設けていますが、四万六千日(しまんろくせんにち)は、観音様の功徳日のなかでも一番功徳の多い日。
この日参詣すれば、1日で約126年間毎日日参するのと同じ功徳が得られるというのですから、江戸時代から庶民の人気を集めていました。
なぜ、4万6000日なのかは、定かでありません。
一説には米の1升が米粒4万6000粒にあたり、一升と一生をかけたとも、人の寿命の限界を示すのが126年ともいわれています。
少しインフレ過ぎるとお思いの方も多いと思いますが、仏縁を結ばせるために考え出された苦心の集客イベントのひとつ。
境内にほおづき市が立つようになったのは、江戸時代の明和年間(1764年〜1772年)頃。
ほおずきの実を丸呑みすれば、癪(しゃく=持病)が治るなどといわれ、重宝されたのです(ほおずきには毒性があり、妊娠中の女性が食すると流産の危険があります)。
当時は落雷除けのお守りになるという民間信仰で赤とうもろこしも売られましたが、現在ではその伝統を受け継いで浅草寺ではほおずき市の2日間に限り「雷除札」も授与してくれます。
ほおずきは1鉢2500円ほど(年によって変動あり)。
「10日の閉店ぎりぎりに行くと大安売りのこともある」(地元の商店主の話)とか。
千成りほおづきは、江戸川区鹿骨町で栽培されているのだとか。
なお、黄色の掛け紙の祈祷札「黄札」も授与されるのでお見逃しなく。