川崎駅前の川崎モアーズ(MORE’S)にあるのが、世界一短いエスカレーター。
しかもギネス登録という折り紙つきです。
World’s Shortest Escalator
1900年にパリ万博開催を目前にして商標登録がなされたエスカレーター(Escalator)。
もともとは、アメリカ合衆国の企業オーチス・エレベーター社(Otis Elevator Company)の登録商標でしたが、今では商標権を放棄しています。
世界中で、堂々とエスカレーターと名のれるわけですが、川崎モアーズ地下2階のエスカレーターは、わずかに5段。高低差はわずかに83.4cm。所要時間わずかに5秒ということで、『ギネスブック』(Guinness World Records)91年度版で認定されています。
題して「World’s Shortest Escalator」。
いつ、このプチエスカレーターが誕生したのかといえば、平成元年10月。
川崎モアーズと川崎アゼリアを結ぶ地下連絡通路がオープンした際に、段差を克服するために用意されたのがプチエスカレーターというわけです。
地下通路がモアーズの地下1階と2階の間に位置してしまい、苦肉の策でエスカレーターを設置したわけですが、これがなんと世界最短。
愛称を募集したところ、1500件ほどの応募があり、審査の結果「プチカレーター」に決定したのだとか。
ちなみにescalateという動詞ももともとなかった言葉で、エスカレーターから生まれた言葉。上に行くが「増大する」、「発展する」に転化したというわけ。日本語のエスカレートするもエスカレーターから生まれた和製英語。
1896年にエスカレーターの前身の「傾斜エレベーター」(inclined elevator)を設置したジェシー・W・リノも、この世界最短のエレベーターを眺めたら、苦笑い、もしくは大笑いすることは間違いないでしょう。