観音崎沖、潜水艦を監視した水中聴測所跡

県立観音崎公園として豊かな自然が残る観音崎一帯。
実は、豊かな自然が残るのは戦前は一般の立入が禁じられた要塞地帯だったから。
海岸部にも不思議な構築物があります。その筆頭が、水中聴測所。

 

不思議な円筒形の建物は潜水艦を探知するソナーを置いた場所

観音崎の駐車場に車を入れ、あるいはバス停で降りて海岸沿いの遊歩道(「敷石園路」)を歩くと、突端の磯の沖合に円筒状の建物の残骸が見つかります。
これが昭和11年7月に起工し、昭和12年6月に完成した水中聴測所。
陸側の地下には鉄筋コンクリート造りの受電室、機械室、聴測室があり、沖の円筒状の建物(円形オープンケーソン)と鉄製の桟橋で結んでいました。
電力は背後の山中にあった南門第二砲台近くの発電所から供給していました。

この不思議な施設は、東京湾要塞が東京湾防備のために設置した観音崎水中聴測所(=パッシブ・ソナー)。
特殊聴音機を設置し、潜航して侵入する敵潜水艦を捕捉するための施設です。
昭和18年10月に、関釜連絡船「崑崙丸」がアメリカ潜水艦「ワフー」によって要塞目前で撃沈。
陸軍は衝撃を受け試験施設として観音崎に設置しました。
直径4.5mの円形オープンケーソン(窓の開いた大型の箱)を、海中に沈め、発受信機を吊り下げました。

建築年代と水中聴測所(=パッシブ・ソナー)となった年代にズレがあるのは、どうやら当初は潮位を観測する施設として建設されたようで、潜水艦の東京湾潜入が現実的な脅威となって、水中聴測所として転用したものと推測できます。

ちなみに穏やかな海上状態で4km先のスクリュー音を聞き取ることができたそうです。
現在は海上自衛隊観音埼警備所(外国艦艇に対する礼法発射などを行なっています)の敷地内で、一般の立入はできません。

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