伊予ヶ岳

南房総にある標高336.3m(北峰)の秀麗な双耳峰。千葉県内で唯一山名に「岳」が付きますが、その名に恥じず千葉県では珍しい岩峰となっています。伊予国(愛媛県)の石鎚山(いしづちさん=伊予の大岳)に、山容が似ていることが名の由来とか。房総の山好きからは「房総のマッターホルン」とも呼ばれています。

古代に四国からやって来た安房斎部氏が名付けた安房の名峰

山麓から双耳峰・伊予ヶ岳を眺望

安房斎部氏(斎部氏は上古の大族で、古代に阿波斎部氏から分かれて安房国に移住した斎部氏のこと)が名付け親という伝承も。

登山口となる平群天神社(へぐりてんじんじゃ)から徒歩30分で展望台(東屋がある)。
さらに南峰山頂までは10分ほどですが、鎖場もある急登となるので注意が必要。

南峰のピークにはベンチやテーブルも設置され、展望図も置かれ、富山方面の眺望が抜群。

二等三角点のある北峰へはいったん鞍部まで下り、登り返して徒歩5分ほど。

登山口の平群天神社は、1353(文和2)年、京の北野天満宮から分霊を勧請して創建した古社で、戦国時代に里見義頼が社殿を寄進しています。
平群9ヶ村の鎮守社で、伊予ヶ岳に棲む天狗伝説も残されています。
参道の夫婦楠も見事ですからぜひ登山の安全を祈願してから入山を。
ちなみに祭神は菅原道真。

平群天神社(登山口)→伊予ヶ岳→富山→伏姫籠穴→岩井駅と歩く、縦走コースは所要4時間30分。

南峰山頂からの富山(とみやま)方面の眺め

 

頼朝が逃げ込んだ「鳩穴」
伊予ヶ岳の中腹に、「鳩穴」と呼ぶ頼朝伝説のある穴があります。
1180(治承4)年、石橋山の戦いに敗れた源頼朝は、手勢を連れて真鶴を脱出し、海路房総へ逃れ、竜島に上陸します。
東条氏を頼り、伊予ヶ岳の麓まで来たとき、長狭常伴(ながさつねとも)の軍勢に待ち伏せされ、伊予ヶ岳へと逃げ込みます。
そして身を隠したのが「鳩穴」という伝承です。

伊予ヶ岳
名称 伊予ヶ岳/いよがたけ
所在地 千葉県南房総市荒川
関連HP 南房総市公式ホームページ
ドライブで 富津館山道路鋸南富山ICから約8kmで平群天神社
駐車場 平群天神社駐車場(20台/無料)
問い合わせ 南房総市観光協会 TEL:0470-28-5307
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