第45回やっさいもっさい踊り大会|木更津市|2019

『木更津港まつり』は、港町として栄えた木更津に、築港など郷土の繁栄の基礎を築いた先覚者の霊を慰めようと、昭和23年にスタートした夏祭り。木更津駅西口の富士見通りを会場にして、『木更津港まつり』の初日、毎年8月14日に行なわれるのが『やっさいもっさい踊り大会』です。

「やっさいもっさい」は『木更津甚句』、木更津の芸妓文化がルーツ

「やっさいもっさい」とは、『木更津甚句』(きさらづじんく)の中にある囃子言葉で、「そこのけそこのけ」の意。
木更津甚句は、江戸時代、江戸湾内航路の江戸〜木更津間の海運を司る「木更津船」の船頭が往来の際に唄っていた船唄がルーツ。
幕末、安政年間(1854年〜1860年)に船唄を元に木更津出身の噺家・木更津亭柳勢(きさらづていりゅうせい)が江戸の高座で唄って江戸界隈で流行りました。
つまりは、幕末の江戸の流行歌。
大正時代、木更津南片町の料亭「松川」の女将・露崎地勢(ちせ)から『木更津甚句』を教わり、木更津から上京した芸妓・小野きくが「若福」という芸名で新橋のお座敷でこの木更津甚句を歌い、それが注目されて全国区になりました(若福の墓は木更津の満足山成就寺にあります)。現在も木更津伝統伎芸を守る会が結成され、木更津では『木更津芸者』体験も可能です(木更津観光協会に問い合わせを)。

「やっさいもっさい」は、矢那川の上流にある船着場の「矢崎へ、森崎へ」(やさきへ・もりさきへ)が訛って「やっさいもっさい」となったとする説が有力です。
『やっさいもっさい踊り大会』の当日、富士見通りは、「おっさ、おっさ、おっさ」の掛け声とともに、踊り手と観覧客で埋めつくされます。
掛け声の「おっさ」は、木更津甚句の囃子言葉。この地方の方言で「おお、そうだよ」と同調するときの相づち。「みんなお互いに理解しあおうよ」という意味です。

高度成長期に、木更津に新日本製鐵君津製鐵所がオープン。それまでの住民と、新しくやって来た人々の和を考え、歌詞にもある「みんながおとなりどうし」を合言葉に昭和49年に始まったのが『やっさいもっさい踊り大会』というわけなのです。『やっさいもっさい踊り大会』の唄はデューク・エイセスが担当。
平成14年放送のテレビドラマ『木更津キャッツアイ』(TBS、主演・岡田准一)やそれに続く映画『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』、『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』で、知名度は全国区になり、今や千葉県を代表する踊りとなっています。
『やっさいもっさい踊り大会』では、老若男女が心を一つにして踊りを楽しみます。

ちなみに、鳥居崎海浜公園に新橋芸者・若福の指導を受ける女性をあしらった「木更津甚句記念碑」が立っているほか、デュークエイセスが『やっさいもっさい』を歌っています。

翌日に行なわれる『木更津港まつり花火大会』では、1万発の花火が打ち上がる予定で、こちらも乞うご期待!
 

やっさいもっさい踊り大会(木更津市) DATA

開催日 2016年8月14日(日)、雨天決行
開催時間 18:00〜20:30
所在地 千葉県木更津市富士見
場所 富士見通り(木更津駅港口)
電車・バスで JR内房線木更津駅西口すぐ
ドライブで 館山自動車道木更津南ICから3km。当日周辺は交通規制が実施されます。
駐車場 あり/駐車場の数に限りあるため公共交通での来場を
問い合わせ 木更津港まつり実行委員会TEL:0438-22-7711
関連HP 木更津市公式ホームページ
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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